企業の動向
2023年03月14日
ジョブズコミュニティーレポート 2023年3月号 ―働き手の多様なニーズへの対応課題 4社に1社「必要性を感じている人が少ない」―
働く上での条件や、ライフイベントの影響、個人の志向性などが多様化しており、人材不足解消のためには、働き手の多様なニーズに対応できる職場環境が求められます。今回は、そのような職場を実現するために最も課題に感じていることについて、経営者や採用担当者に伺いました。(回答期間:2023年2月17日~23日)
調査ダイジェスト
4社に1社「必要性を感じている人が少ない」
全体では、「働き方(働く時間や働く日数など)に柔軟性がない」が43.2%と一番多いですが、4社に1社が「多様なニーズに対応していく必要性を感じている人が少ない」と回答しました。回答者自身は必要性を感じているものの、少数派ゆえに制度や仕組みを変えることの難しさに直面している実情がうかがえます。業種別では、「医療・福祉関連業」において「仕事内容が画一的で、個人に合わせて変化させることができない」と回答した割合が他業種と比べて多く、有資格者でなければできない仕事があるなど、個人のニーズに合わせた対応が難しい状況なのかもしれません。
働き手には、1日8時間・正社員としての働き方を求めている人ばかりではなく、私生活とのバランスを考慮しつつ、短時間で働くことを求めている人もいます。特に、就業参加が活発になっている女性やシニアは、1日4~6時間前後の働き方を求めている人が多いことが、弊社が行った「求職者の動向・意識調査2021」からも分かります。1日8時間・正社員としての働き方ができる人のみでは、悪化し続ける人材不足を補えなくなっており、時間に制約がある方や体力に不安がある方でも働ける環境を可能にしていくことが、人材不足解消のポイントになるでしょう。
有資格者が行っている業務を、「有資格者にしかできないもの」と「そうでないもの」に分け、「そうでないもの」を無資格者や未経験者に切り出していくなど、「新しい仕事をつくる」のではなく、既にある業務を切り出すことで進められるものもあるのではないでしょうか。弊社の採用の知恵袋12月号も参考にしてみてください。
過去のアンケート調査
JBRCウェブサイトでは、本調査シリーズを掲載しています。(レポート本文へのリンクは本ページ下部にあります)
・辞退防止の工夫、「応募当日・翌日の連絡」が約半数に
・採用以外の人材不足対策 「既存スタッフの育成」53.7%
●本レポートに関するお問い合わせ先
株式会社リクルート ジョブズリサーチセンター
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