企業の動向
2024年09月19日
ジョブズコミュニティーレポート 2024年9月号 ―過去最大51円の最賃引き上げ、「経営に影響」70.8%―
2024年度の地域別最低賃金は全国加重平均で1,055円となり、前年度比で過去最大の51円の引き上げとなりました。大幅な引き上げが企業経営に与える影響について経営者や採用担当者に伺いました。(回答期間:2024年8月23日~8月29日)
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調査ダイジェスト
70.8%の企業が「経営全体」または「一部に影響がある」と回答しています。一方で、過去からの比較でみると、引き上げ金額の多寡はあるものの、年ごとの回答傾向に違いは見られませんでした(2020年を除く)。
業種別では、飲食業はアルバイト・パート比率が高いためか「経営全体に影響」が58.0%と最も高く、次いで小売が53.0%と続きます。製造業・建設業、医療・福祉関連業は若干低いものの、4割程度が経営に影響があるとしています。
最低賃金改定の影響に関する調査*1によると、都道府県別では高知・徳島・福島・鳥取・愛媛の5県では5割超の求人が改定後の最低賃金を下回る結果となりました。全国的には約4割弱の求人が最低賃金を下回っており、特に地方での人材確保や賃金体系の見直しが喫緊の課題となっています。
また、アルバイトやパートの平均時給*2が着実に上昇し続けていることから、最低賃金の改定にかかわらず高めの給与水準を設定して人材を確保する企業が増加していると考えられます。
今回の調査結果を踏まえ、企業は最低賃金改定に対応した給与体系の見直しや、地域ごとの労働市場の動向に合わせた人材確保戦略を検討する必要があります。特に、アルバイト・パートが多い業種や地方企業においては、従業員の定着と採用競争力を維持するために早めに準備を行うことが重要です。
*1:2024年度 最低賃金改定の影響に関する調査レポート https://jbrc.recruit.co.jp/data/data20240913_3394.html
*2:アルバイト・パート募集時平均時給(三大都市圏) https://jbrc.recruit.co.jp/data/ap/
過去のアンケート調査
JBRCウェブサイトでは、本調査シリーズを掲載しています。
・人材斡旋・紹介サービスの利用、業種・地域間で大きな差は見られず
・「正社員とほぼ同業務のアルバイト・パート」への研修機会、約2割が「無い」
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株式会社リクルート ジョブズリサーチセンター
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