採用の知恵袋

2022年07月14日

#人材不足#採用

採用の知恵袋 2022年7月号 ―「応募が来ない」はしかたない?―

「求人を出しているのに応募が集まらない」その原因の一つは、情報発信の仕方かもしれません。求職者が貴社の求人に応募したいと思うためには、どのような情報を、どのような方法で発信することが効果的なのでしょうか。

「採用の知恵袋」は、ジョブズリサーチセンターが調査研究を通して得た採用に関する知見をもとに、企業から寄せられる質問に回答します。今回はセンター長の宇佐川が答えます。

Q.

ここ数年、主にハローワークを利用して営業職を募集していますが、応募がなかなか集まりません。自社PRの強化に向けて会社ホームページを制作中ですが、その他にどのような取り組みが必要でしょうか。
(中国四国エリア/建設資材卸)

A.

応募を増やすには、貴社が採用したいターゲットの視点に立って考えることが必要です。ターゲットに求める要件や人物像をなるべく具体的にイメージし、ターゲットの気持ちになって、どのような情報が分かれば応募したいのか、なぜ応募をためらってしまうのかを考えてみましょう。また、求職者がどのように仕事を探しているのかを知ることで、ターゲットに効果的に情報を届けることが可能になります。求職者がよく利用している求人情報源や行動プロセスについても見ていきましょう。

解説

◇入社後をイメージできる、具体的な情報を載せよう

求人情報は、入社後に貴社で働くことをイメージできるような具体的な内容を心がけましょう。曖昧な書き方では、「本当にここで働けるかな?」「働くイメージがつかない…」というネガティブな印象を与えかねません。

例えば営業職の説明として、1日や1週間の仕事の流れのほかに、扱う商品の強みや販売地域、新規開拓か既存顧客向けかなど、「営業するうえで何が気になりそうか。何が分からないと不安か」を考えながら情報を盛り込みましょう。また、大まかな表現も留意が必要です。例えば、「営業業務全般」や「勤務時間応相談」は、面接まで進まないと詳細が分からない書き方になってしまい、応募を検討している段階で避けられてしまう可能性があります。

◇求職者がどのように仕事を探しているのかを知ろう

せっかくの魅力的な求人情報であっても、ターゲットに届かなければ効果が薄れてしまいます。貴社が採用したいターゲットがどのように仕事探しをしているのかを理解することで、より効果的な情報発信を目指しましょう。

下の表は、最近1年間の仕事探しで利用した情報源を尋ねたものです。

kyushokusha_211222_01.png
Q. 最近1年間に仕事を探すときに、どのような情報源を利用しましたか。(複数回答)
出典:ジョブズリサーチセンター「求職者の動向・意識調査2021 基本報告書」

既に利用しているハローワークに比べ、Webを活用した仕事探しが主流であることが分かります。若年層ほどスマホアプリの活用が進んでいるので、その傾向が顕著です。Webの求人サービスの多くは有料ですが、貴社のターゲットが多数利用しているものであれば、短期間に多くの方に訴求することも可能です。

また、会社ホームページを正確・最新に保つことは、採用活動においても重要です。求人情報サイトやハローワーク経由で知った会社について、「信頼できそうか」「詳しい情報がないか」などの心理から、会社ホームページを訪れることがあります。その際、ホームページが見つからない、情報が古い・間違っている場合には、不安を感じて応募しないことが起こりえます。

今回は「採用活動における効果的な情報発信」をテーマに説明しました。応募が集まらない背景には、地域・業界特性や企業規模、給与条件などの多くの要因が考えられますが、情報発信の方法については、特に着手しやすいものの一つです。情報を届けたい相手は誰か、そのターゲットを起点に情報内容や発信ができているかなど、ぜひチェックしてみてください。

(協力:高松商工会議所