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2026年10月01日
転職後の賃金の男女差はどこからくるのか -Oaxaca-Blinder分解による実証分析-
人材紹介サービス『リクルートエージェント』を経由して転職が成立した男女のデータ(2022年4月~2026年3月、313,485件)を用いて、転職後の賃金の男女差がどこから生じているかを分析いたしました。このたび結果がまとまりましたので、一部を抜粋してご報告申し上げます。
本レポートでは、観察された男女差を Oaxaca-Blinder分解という統計手法により、どの求人・職種・業界に就いたかの違いによる「配置・構成差(属性差)」と、観測できる条件をそろえても残る「評価・処遇差(係数差)」に分けて示しています。
※レポート本文へのリンクは本ページ下部にあります。
調査ダイジェスト
男女差 +76.4万円の約8割は「配置・構成差(属性差)」の違いで説明される
転職後の賃金の男女差は +76.4万円(女性は男性=100に対して84.6)でした。この差を分解すると、79.2%(60.4万円)は男女で就いた求人や属性の構成が異なることによる「配置・構成差(属性差)」、残る20.8%(15.9万円)は年齢・職種・業界・求人の募集時年収など観測できる条件をそろえても残る「評価・処遇差(係数差)」でした。
【配置・構成差】
最も大きいのは求人の募集時年収(募集レンジの下限と上限の平均)で、単独で +37.6万円と男女差の約半分を占めます。男性が決まった求人の募集時年収は女性より平均約77万円高く、男女は同じ求人の中での賃金差以前に、募集時年収の異なる求人に決まっています。次いで年齢(+12.4万円)、現職が管理職かどうか(+4.0万円。現職が管理職の割合は男性が女性の約4倍)、経験職種(+3.9万円)、現在の雇用形態(+2.9万円。女性の非正規比率は男性の2倍超)が差を広げる方向に働いています。一方、求人の勤務地(−3.0万円)や求人の職種(−2.5万円)は差を縮める方向に働いています。
【評価・処遇差】
特徴的なのは年齢です。ほかの条件をそろえても、転職後の賃金は1歳あたり男性で約5.3万円、女性で約3.7万円上がり(差は1.62万円/歳)、年齢が10歳上がるごとに男女差は約16.2万円開きます(横断的な関連)。また、管理職であることによる年収の上乗せ(非管理職と比べた調整後の値)は男性 +79.8万円、女性 +109.5万円と女性のほうが大きい一方(管理職の女性は少数のため参考値)、現職が管理職の女性自体が少ないため、全体では男女差を広げる方向に働いています。
※ 評価・処遇差には役職・等級・労働時間・採用時の交渉など本データで観測できない要因も含まれるため、直ちに差別と解釈することはできません。
転職前の賃金の高さによって、男女差の内訳は異なる
転職前の賃金の低い順に4つの層(Q1~Q4)に分けて同じ分解を行うと、転職前の賃金が低い層(Q1)では男女差 +12.5万円のうち67.1%が配置・構成差(属性差)でした。一方、転職前の賃金が高い層(Q4)では男女差が +45.8万円に広がり、61.5%を評価・処遇差(係数差)が占めます。
転職前の賃金が低い層は「配置・構成差(属性差)」、高い層は「評価・処遇差(係数差)」の比重が大きく、男女差は全体平均だけでなく層別に見る必要があります。
調査結果の詳細はこちらのPDFをご覧ください
※ 無料でダウンロードできます。
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