各種調査

2025年07月31日

#正社員#育成・定着

働く喜び調査2024

株式会社インディードリクルートパートナーズ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:淺野 健)では、2013年より毎年、全国の15歳~64歳の就業者約5,000人~12,000人を対象に仕事に関するアンケート調査を行っています。本レポートでは12年分の経年データを基に、働く人の喜びの実感状況やその影響要因について報告いたします。なお、2024年調査の調査期間は、2024年12月19日(木)~12月25日(水)です。
今回の調査では、「働く喜び」を必要とする人が毎年約8割以上いるにもかかわらず、実際に「働く喜び」を感じている人は約4割にとどまり、12年間あまり変化していないことが分かりました。
また、「働く喜び」を構成する7つの因子を2024年と2015年とで比較すると、「必要な収入」因子は特に増加傾向にあることが分かりました。しかし、「信頼関係」因子の「気さくに話せる人がいる」は0.5pt減少し、特に、「役割・居場所」因子の「職場に自分の居場所がある」は-4.2ptと大きく減少しました。

調査方法 インターネットモニター調査
調査対象 全国の15歳~64歳の就業者
調査期間 2024年12月19日(木)~12月25日(水)
有効回答数 6,519人

調査ダイジェスト

■働く喜びを必要としている人は82.6%

そもそも、働く上で「働く喜び」を必要としている人はどれくらいいるのでしょうか。2024年では82.6%でした。調査開始の2013年以降、2017年を除いて、毎年80%以上の人が「働く喜び」が必要だと回答しています。

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■実際に働く喜びを感じている人は42.0%

では、仕事をする上で「働く喜び」を感じている人はどうでしょうか。実際に「働く喜び」を感じている人は42.0%でした。「働く喜び」を感じている人の割合は、2013年以降、5年間にわたり減少傾向にあったものの、2018に増加に転じ、2019年には全体の44.5%が「働く喜び」を実感し、その後42~44%の間で推移しています。

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働く喜びを構成する要素(2015年・2024年)

2024年は2015年と比較して、3項目を除いた32項目で「あてはまる・計」の割合が増加しています。特に、2015年から2024年への増加幅が大きいのは「必要な収入」の因子です。中でも「安定的に収入を得ている」は8.7pt、「仕事の内容に見合った収入を得ている」は8.3pt、「自由に使える収入を得ている」は8.0pt増加しています。
また7因子のうち、2015年から2024年への増加幅が比較的小さい因子は、「信頼関係」と「役割・居場所」でした。
一方、減少した3項目のうち、「役割・居場所」因子の「職場に自分の居場所がある」は2015年から2024年で4.2pt減少しており最も大きな減少幅でした。次いで、「顧客の期待・感謝」因子の「お客様に育てられている実感がある」は1.2pt減少、「信頼関係」因子の「気さくに話せる人がいる」は2015年から2024年で0.5pt減少しています。

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■「職場に自分の居場所がある」と回答した人の割合は年々減少傾向

前述した通り、「職場に自分の居場所がある」と回答した人の割合は年々減少傾向にあります。さらに過去にさかのぼって2013年からのデータを見てみると、2013年から2024年にかけて11.3pt減少しました。職場に限らず、社会全体で「孤立感」が問題視されています(*1)。SNSの普及による表面的なつながり、地域社会の弱体化、個人主義の進行などが背景にあり、職場という小さなコミュニティーでもその影響が表れているということも考えられます。また、ビジネス環境の変化が激しく、仕事に求められるスキルや成果の出し方の変化に対して、不安を感じている人も多いのかもしれません。例えば、世界全体で見ても、64%の人が仕事における急速な変化への戸惑いを感じているという調査結果もあります(*2)。変化のペースに不安を覚え、職場から取り残されることへの懸念を抱く人も多いと推察されます。
*1 孤独・孤立の実態把握に関する全国調査(令和6年) 内閣府孤独・孤立対策推進室
*2 Work Change Snapshot 2024 LinkedIn

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■「キャリアに対しての不安」と「働く喜びを感じているか」について(2024年)

最後に、「キャリアに対しての不安」と「働く喜び」の関係を見てみましょう。「キャリアに対しての不安」を「非常に感じている」層は、「働く喜び」を感じている割合が28.1%と低く、「働く喜び」を感じていない割合が59.1%と高い状況です。 次に、「キャリアに対しての不安」を「感じている」層は、「働く喜び」を感じている割合が43.0%であり、全体の42.0%よりもやや高い状況です。「キャリアに対しての不安」を「非常に感じている」層と「感じている」層は回答傾向が若干異なっています。キャリアに対して適度な不安感を持つことは、「働く喜び」を感じるために大切なのかもしれません。

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調査結果の詳細はこちらのPDFをご覧ください
※ 無料でダウンロードできます。