各種調査
2024年11月15日
就業時間調整者に関する調査2024 ~勤務時間を増やすきっかけは? 今後のキャリアについてどう考えている?~
本レポートは、ジョブズリサーチセンターが実施した「就業時間調整者に関する調査2024」の結果をまとめたものです。本調査における「就業調整」とは、実際に働ける時間よりも短い時間しか働いていない状況や、本来働きたい時間よりも短い時間で働いている状況を指します。そのため、いわゆる「年収の壁」を意識した就業調整以外も含むことにご留意ください。
調査を踏まえて
就業調整は「年収の壁」にひも付けられることが多いですが、今回の調査では「年収の壁」以外の就業調整の実態を明らかにすることを目的としました。結果として、「年収の壁」を理由に、かつそれを優先して就業調整している人がいることは本調査でも明らかになりましたが、「健康的に働きたい」「家事・育児・介護などを優先したい」、加えて勤務先の意向で就業調整をしている「希望通りシフトに入れていない」など、「年収の壁」以外の理由も多く存在していることが分かりました。これらの理由は、健康やプライベートに配慮して短時間でも働ける環境を整えることや、シフト調整を柔軟に行うことで改善できることもあるのではないでしょうか。
また、就業調整をしている人でも、3割を超える人は勤務時間を増やしたいと考えていること、その中でも6割を超える人が、働く時間を制限する事由がなくなった際には、何かしらキャリアを広げたいと考えていることも分かりました。個人にさまざまな制約条件がある中で、働く時間を増やすことは容易ではない場合も多いです。キャリア支援の対象をフルタイムや正社員を前提とすることをやめ、就業調整をしていたとしても、キャリアを広げる可能性について企業・個人双方が考えるきっかけとなれば幸いです。就業調整が働く時間の制限だけでなく、機会の制限につながらないことを願います。
調査ダイジェスト
就業調整の実態
■ 就業調整をしている理由は、「心身ともに健康的に働くため」41.3%が最も高く、次いで「住民税・所得税の非課税、配偶者控除(手当)を受けるため、社会保険の扶養内で働きたいから(いわゆる「年収の壁」)」27.8%、「家事、育児や介護など他に優先することがあるから」23.7%…【P4/以下グラフ】
■ 「年収の壁」とそれ以外の理由で就業調整をしている人のうち、「年収の壁」の優先度が高い人は50.7%…【P20】
■ 働く時間を増やしたいと考えている人は33.5%…【P8】
■ 働く時間を増やすきっかけは、「すきま時間で働けるような仕事があったら」35.1%が最も高く、次いで「給与が増えても、住民税・所得税の非課税、配偶者控除(手当)が受けられる制度ができたら、社会保険の扶養内で働ける制度ができたら」19.7%…【P9】
■ 働く時間を増やしたい人のうち、働く時間を制限する事由がなくなった際、「仕事内容」「仕事量」「仕事の責任」「マネジメント」のうちいずれかを広げたいと考えている人は61.9%…【P10】
2024年10月の社会保険適用拡大に対する意識
■ 2024年10月の社会保険適用拡大について「内容を詳しく知っている」「内容をある程度は知っている」を合わせた「知っている計」は52.9%…【P15】
■ 適用拡大の対象である人の社会保険加入意向は46.1%…【P19】
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