各種調査
2023年09月12日
採用担当者意識調査レポート vol.10 ―人材確保などを目的に、約65%がベースアップを実施・検討―
今話題のトピックスを経営者や採用担当者に伺いました。今回は人材不足の状況や、政府の骨太の方針で取り上げられている賃上げや従業員へのリスキリングについてです。(調査期間:2023年7月3日~8月21日)
※詳細はページ下部のPDFからご覧いただけます。
調査ダイジェスト
◆ 「とても不足」「不足」計が正社員71.1%、アルバイト・パート70.8%
勤務先の人材不足について、正社員は「とても不足している」「不足している」の合計が71.1%、アルバイト・パートは70.8%に上りました。厚生労働省が公表する直近の有効求人倍率は1.29倍(2023年7月/季節調整値/パートタイム含む)と、コロナ禍前に見られた1.5~1.6倍を下回りはするものの、多くの企業で人材が不足しているようです。
◆ 人材採用・定着のために、ベースアップを「すでに実施」約3割
今年度の賃上げの実施・検討状況を聞いたところ、正社員とアルバイト・パート双方で約3割が「すでに実施した」と回答しました。「今後する予定」「今後する方針で検討中」までを含めると約65%、一方で「今後する予定はない」は1割強に留まり、賃上げの動きが広がっているようです。
賃上げをする理由(グラフはページ下部PDFを参照)としては、「既存スタッフの定着、モチベーションのため」がもっとも多く正社員で57.6%、アルバイト・パートで46.4%と約半数に上りました。「新規スタッフ採用のため」が続き、賃上げをする企業の多くが人材の採用・定着を意識していることがうかがえます。また、今年度は最低賃金額が過去最大の引き上げ幅であることもあり、アルバイト・パートで「最低賃金改正への対応のため」が31.0%となっています。
◆ リスキリングが注目されるなか、約3割が正社員向けの支援拡充を検討
従業員へのリスキリングについて、取り組んでいるものとして「上司・先輩による業務中の教育」「上司との定期的な面談」などが上位に挙がりました。リスキリングへの世の中の関心が高まる一方、何も取り組んでいないという企業も2~3割いることが分かりました。
また、今後正社員において「支援内容をより充実させる」という声が3割に上りました。具体的に充実させたい、もしくは新たに取り入れたいものは(グラフはページ下部PDFを参照)、「社外の研修・セミナーへの参加機会の提供」が約4割で最多。一方、自己啓発への費用補助といった「現在の業務に関連しない、資格・スキルの習得支援」を導入・検討している企業は限定的で、成果にすぐつながる支援が現在は中心であることが見受けられます。
※ 無料でダウンロードできます。