各種調査
2021年12月16日
【レポート】シニア層の就業実態・意識調査2021(個人調査・企業調査から)
本レポートは、「シニア層の就業実態・意識調査 2021」(個人編および企業編)の一部をもとに作成したものです。より詳細な調査結果については「【基本報告書】シニア層の就業実態・意識調査 2021(個人編)」、 「【基本報告書】シニア層の就業実態・意識調査 2021(企業編) 」をご覧ください。また、2016年及び2018年に実施した「シニア層の就業実態・意識調査 」(個人編および企業編)との比較を一部行っています。
<調査結果から得られる示唆>
○既存従業員はより長く働き続けたい、同じ会社で働き続けたい人が増えている。2021年4月の法改正により、70歳までの就業確保が努力義務化され、企業も様々な取り組みを開始しているが、シニアの意欲に対して十分とはまだいい難い。従業員の高齢化が加速することが予測される中、画一的な働き方を求めるのではなく、より個人のニーズにあった多様な働き方を準備し、定年直前ではなく、早い時点から対話を通して提供していく必要がある。
○60代だけでなく70歳以降の就労は増加傾向だが、「1日8時間・週5日+残業」の働き方が中心となっている企業と希望する働き方にバリエーションのあるシニアとの間にミスマッチが存在し、働きたいのに働けない、諦めてしまうシニアが存在する。
○シニアの仕事探し状況を見てみると、必ずしも年齢だけで諦めているわけではない。仕事が決まった人は、直近まで仕事をしていた人が多く、仕事を探す際に多様な手段を使っている。一方で、仕事探しを諦めた人は短時間勤務を希望する人が多く、仕事探しの手段が限定的である。勤務時間・日数に制約がある人が社会的なやりがいを得るために働きたいと考えても、仕事探しそのものに不慣れで、働ける仕事にたどり着けないことも想定される。また、シニアは社会とのつながり、やりがい、健康維持のために仕事を希望する方も多い。短時間でも社会と関われる仕事を増やしていくこと、仕事の探し方を支援する仕組みづくりを企業、社会全体で進める必要がある。
○働き方のミスマッチ以外にも職種の不一致や、ブランクによる不安がハードルになっている。シニアの方々には、現職時代から次の仕事を探す、ブランクがある方もできそうな仕事が見つかればまず働いてみることを提案したい。仕事探しをしていることを周囲にも伝えて支援を受けやすくすることや、これまでの経験や知識に固執しすぎず、選択肢をできるだけ広げてみることも重要である。応募に不安があれば、職場見学を相談してみるなどまずは一歩踏み出していただきたい。
調査ダイジェスト
Q 5年以内の仕事探し経験(p.4)
この5年以内に仕事探しをした経験があるかを聞いたアンケート。2016年調査以降、仕事探しをした結果に大きな変化は見られませんでした。2021年と2016年を比較して、新しい仕事が決まった人は3.8ポイント増加、仕事を探しても見つからず諦める人は4.1ポイント減少したが、約3割が諦めているという実態が明らかになりました。
Q 何歳まで働きたいか(p.5)
何歳まで働きたいと思うかを聞いたアンケート。男女ともに70~74歳は80歳を超えても働きたいと考える人が2割前後でした。
Q 採用実績(p.10)
直近1年間の採用実績を聞いたアンケート。60代以上の人を採用した企業はほかの年代と比べて大幅に少なく、シニアの採用は限定的です。
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