各種調査
2024年05月24日
2023年度アルバイト・パート募集時平均時給調査 年間まとめレポート
本レポートは、月次で発表している「アルバイト・パート募集時平均時給調査」について、2023年4月~2024年3月の結果をまとめたものです。
今回のレポートでは、職種区分ごとに募集時平均時給の動向を確認するとともに、その分野で話題になったできごとを、メディア記事や事例、各種調査を交えて振り返ります。また、トピックスとしてエリア別の推移と職種別の時給分布について掲載しました。
調査ダイジェスト
三大都市圏 募集時平均時給の推移 (1) 職種計-過去最大の最低賃金改定や春闘の影響を受け上昇(p.2)
2023年4月~2024年3月の募集時平均時給は、1,143~1,192円の間で推移しました。例年は、12月にかけて上昇し年明け以降少し落ち着く傾向がありますが、2023年度は年明け以降も高い水準となりました。前年同月増減率も12月までは3%未満を推移していましたが、年明け以降は3%超となっています。
平均時給上昇の要因として最低賃金改定の影響は大きいでしょう。2023年10月に改定された最低賃金は、全国加重平均で43円引き上げられ、1,004円となりました。引き上げ額43円は最低賃金が時給で示されるようになった2002年以降最大です。加えて、年明け以降は春闘の影響も受けていると考えられます。
トピックス (1) エリア別 募集時平均時給の推移-関西と東海の平均時給の差が縮まる(p.9)
アルバイト・パート募集時平均時給はどの月も首都圏が最も高く、関西、東海と続きます。2024年3月の前年同月比は、首都圏で+4.1%、関西では+2.7%、東海では+3.9%で、いずれも2023年3月より高くなっています。特に、直近11月以降の東海の伸びが大きく、関西との平均時給の差を縮めています。
トピックス (2) 職種別 募集時時給の分布-販売・サービス系やフード系は1,000~1,100円台に集中 事務系や専門職系は分散(p.10)
販売・サービス系やフード系では時給1,000~1,100円台がそれぞれ約30%と集中しており、それより右側がなだらかな山形のグラフになっています。製造・物流・清掃系も同じようなグラフの形になっていますが、1,000~1,100円台は約20~30%と比較的少なくなっています。900円台は数%で、10~20%程度であった昨年と比較して減少しました。最低賃金の改定が大きく影響していると考えられます。
事務系、営業系、専門職系は、1,000~1,200円台が最も多くなっていますが、グラフの形はなだらかで、時給がより分散していることがわかります。特に専門職系では、2,000円以上の求人も7.1%ありました。
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