Contents of 「プチ勤務」
はじめに
超短時間でも「やりがい」や「働く喜び」を感じられる新しい働き方、プチ勤務。
これまでは時間の制約があり、働きたくても働くことができない、シニアや主婦の方が活躍できるようになってきています。慢性的に人手不足が続いている現状において、いままでのやり方、条件、ターゲットでは、なかなか採用することができなくなっています。まずシフトに加え、業務の細分化を行うことで時間の制約を受けず、新たに「超短時間勤務(=プチ勤務)」の仕事が生み出されています。
超短時間でも「自分らしく働ける」、「ありがとうが励みになる」というように、「やりがい」や「働く喜び」を感じられる新しい働き方、それが「プチ勤務」です。
STEP1:背景の検証
働き手が減る中、潜在的な労働力の活用が必要。
世代別労働力人口を見ると、2020年には34歳以下の若年層は全体の25%にまで減少する見込みであるのに対し、2015年に団塊の世代の方々が全員65歳以上を迎えることもあり、2020年には55歳以上のシニア層は29%に増加する見込みとなっています(図2)。また女性の世代別就業率では、潜在的労働率と有配偶者(≒主婦)の就業比率を比較すると約300万人分のギャップがあることが分かります(図3)。
そのような状況の中、有効求人倍率はリーマンショック以来、2013年10~12月平均で初めて1.0を超え、2014年には企業の人手不足が顕在化したことで、「出店計画の見直し」や「店舗の閉鎖」、「営業時間の短縮」が増えてきています。働き手が減る中、潜在的な労働力であるシニア層と主婦層の労働参画を促すことが、日本の雇用・労働における希望とも言えるのかもしれません。
STEP2:働きたい理由と働けていない理由
働きたいのは「社会とのつながり」を得るため、働けていないのは「時間の制約」。
シニアの方にお話しを伺うと「体のことを考えると長時間働くのは苦しい、だから短時間だけなら働きたい」という声があります。働きたい理由としては、3人に1人くらいは仕事を通じて友達や仲間、生きがいを得たいと思っているということが調査結果から得られました。
主婦の方にお話しを伺うと「仕事を始めたら育児と両立できるかが不安」という声があります。しかし「働きたい」と思っている人は多く、そのうちの約半数は働きたい理由として、社会とつながりを得るためと答えています。
STEP3:変化の兆し
週の最低勤務日数「1日・2日」が対前年約5.8万件増加、1日の最低勤務時間が「1時間・2時間・3時間」が対前年約2.2万件増加。
『タウンワーク』のデータを分析したところ、週の最低勤務日数が「1日・2日」、1日の最低勤務時間が「1時間・2時間・3時間」の案件が増加しています(図4)。中でも、1日1~3時間の案件の比率が2013年9月と2014年9月を比較して、業種では、コンビニエンス・ディスカウントストアが約5ポイント増、ガソリンスタンドが約6ポイント増となっています。職種では、販売が約4.5ポイント増、フードが約7.5ポイント増となりました(図5)。